山歩会フォトギャラリー 2006

2月25日(土) の山歩レポートです。

   なんと、いい天気!今日の山歩会の公式行事は、スキー。少し遅い目覚めで、
眩しい光を浴びながら、今日はノンビリ過ごそうと決めていた。
けど、ちょっと、もったいない気もする。ふと浮かんだ。
何時ぞやの新聞に、何処かのお寺にセツブンソウという花が群生している。
一度はお目にかかりたい。鈴鹿の藤原岳にも咲いていると、確かHPに載っていた。貧乏性・・・。
 10時ごろに家を発った。登山口の近くの藤原岳自然科学館へ行けば教えてくれるかもしれない。
誰もいないかと思ったら、奥からオバチャンが出てきた。地図を貰うのと合わせて、
セツブンソウが咲いているのはどの辺りかと尋ねると、この昼時に、なんだこのオッサン、
と感じさせる視線で、「前はいっぱい咲いてたけど、イノシシが荒らしちゃって・・・
だけど誰にも言わないと・・もにょ、もにょ・・(以下非公開)。イノシシの仲間になるといけないので、
誘惑を振り払って、登りながら自分で見つけてやろうと、眼を凝らしながら、
聖宝寺道を登っていったが、さっぱり見つからない。
 あきらめかけていた頃、5合目と6合目の間で中年夫婦が「ほら、ココ」と、
声を掛け合いカメラを向けている。
やったと思いながら「セツブンソウですか?」と、寄っていくと、「福寿草です」
 明るい林の中の道は実に気持ちがいい。それに比べると、登ってきた下の杉林の道は、
荒れていて不気味な様相を呈していた。時折、カラカラと石が転がるような音。
キイキイと風に幹や枝がこすれる音。
自然と歩みが速くなる。隣の坂本谷は何年か前の土石流で、現在も通行禁止となっている。
くわばら、くわばら。
 8合目からアイゼンを付けて、息を切らして、何とか避難小屋へ到着。
小屋の前の樹に誰が付けたのか、紅い鯉のぼりがヒラヒラ気持ち良さそうに泳いでいた。
 時間も遅いので、小屋の裏から天狗岩へ向かう辺りを闊歩、闊歩。
ふと足元に目をやると岩の隙間に福寿草。
まだ花弁は半ば閉じている。少し離れたところに、もう一輪。
花弁の一枚が枯草の茎を巻き込んで持ち上げている。
これは写真に撮るには邪魔だと、枯れ茎を取り除いてもう一枚。
 しかし、その近くには枯れ茎がメッシュ状になっていて、その間からもう一輪が顔を出していた。
これは枯れ茎がメッシュで覆って、その下に過酷な風雪から守る快適空間を作っていたのかもしれない。
きっとそうに違いないと一人で納得、なっとく。
 下ばかりに眼が向いていたのを戻すと、茶色い枯れ穂の草の群れが風に揺れていた。
北西の方は低気圧の接近からか曇っていたが、
雲間から射した薄日が霊仙のドッシリした姿を浮かび上がらせて、うーん・・・中々中々。
 あっという間に1時間が過ぎていた。周りには誰もいない。避難小屋も既に空っぽ。
転ばぬように注意しながら、帰りを急いだ。長命水まで来れば残りわずか。
以前に比べると土石流の影響で荒れて貧相な地形になって、
のどを潤す水の旨さもひと味落ちたような。
 聖宝寺に着くとちょうど5時。腕白そうな子供が鐘をいくつも勢いよく撞いていました。

久しぶりの単独山行きでした。


by OZ

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